皆さんが、日々、何気なく耳にしたり聴いたりしている音楽ですが、音楽を聴いて、楽しい気持ちになったり、癒されたりすることはないでしょうか。音楽には、皆さんが想像する以上に、大きな力があると言われています。音楽の力とは、生理的、心理的、社会的な影響力があると言われています。生理的には、身体的に変化をもたらし、心理的には、感情と記憶を刺激し、社会的には、人間同士の交流のきっかけを作ってくれます。
活用法は、皆さんがいつもやっている通り、音楽を聴いたり、歌ったり、楽器を鳴らしたりする、そして、リズムにのって動いたり、または、作曲も効果的とされています。このように、音楽を聴くことを、受動的音楽療法、また、歌ったり、楽器を演奏したり、動いたり、作曲などを行なうことを、能動的音楽療法と呼んでいます。
基本的体験は、受動的音楽療法は、痴呆症やダウン症といった、すべての障害のタイプの利用者に応用することができます。また、能動的音楽療法も、楽器習得は自己規律、自己能力への信頼、人の内的な状態が忠実に出たりすることを、体験することが可能であると考えられています。それでは、具体的には、どういった効果が期待できるのでしょうか。
例えば、アー、ガーという声しか発していなかった、11歳のダウン症の男の子に、約二年間にわたり、30分の個人セッションと、クワイヤーホーンという楽器を鳴らすことで、その音で擬音を表すということを行ないました。その結果、徐々に、発音や言葉だけではなく、歌詞つきの歌も歌えるようになり、太鼓を鳴らしながら歌うことが出来るまでになり、多くの人を驚かせました。
また、60歳代半の男性が、脳梗塞により四肢麻痺なり、意思疎通はアイコンタクトのみになってしまいました。何か楽しめることはないかと考え、かつて彼が好きだった曲を、キーボードで弾きはじめ、レパートリーを広げるうちに、好みの歌手のときには真剣な表情を示したり、フィンガーシンバルで音が出ると、本人が喜ぶといった表情を見てもわかる程の変化を示すようになったという事例も報告されています。
このように、音楽療法は、実に効果がある療法と言えます。現在では、徐々にですが、日本の医療現場にもm取り入れられるようになってきています。
身近な音楽のなかで、優れた癒し効果を得ることができるもののなかには、モーツァルトがあります。実は、モーツァルトは感覚的に脳を活性化することのできる音を組み合わせた癒しの音楽を作曲することのできたとても少ない天才のひとりといわれています。モーツァルトの音楽で素晴らしいところは、脳がさえた状態であってもリラクゼーションに導くことができるということです。勉強や仕事の能率が悪くてどうしたらいいのか悩んでいるという人は、モーツァルトの音楽を聴いてみるとよいかもしれませんよ。
癒しの音楽を聴くためにはヘッドフォンとポータブルCDがあれば、いつでもどこでも音楽療法を実践することができます。ヘッドフォンを使ったほうがよいとされているのは音楽療法用に作られている高品質の音楽の場合です。もともとBGMを目的として作られている環境音楽は、ヘッドフォンで聴く必要はないようです。
音楽療法用のCDの場合にはヘッドフォンを使うことによって音楽の影響をより強く感じることができます。そのため音楽療法の効果があがるのです。耳をすっぽりと覆って雑音をシャットアウトするタイプのものをつかうとよいでしょう。耳にはめ込むタイプのヘッドフォンやイヤホンなどは音楽療法には不向きです。また雑音の入りやすいコードレスなどもあまり良いとはいえません。音楽療法をおこなうのであればなるべく質のいいものを選んだほうが良いかもしれません。
音楽で癒しを求めるということはよく言われているようですが、その時にどのような音楽を選ぶのか、そしてどのような聴き方をするかによって効果の現れ方に差が出てくるそうです。最近では、リラクゼーションを目的で音楽を聴くという人がずいぶん増えてきたようです。けれども、音楽から十分な癒しの効果を得るためには、音楽の選び方や使い方がとても大切になってくるということを知らない人のほうが多いようです。
癒し系の音楽といえば、一般的にBGMのような感じに使う方のほうが多いようですが、脳の活性効果をねらう場合は適当な音楽を流しっぱなしで聴くよりも音楽療法用のCDを選んである期間に集中して聴くことが大切のようです。脳波にはγ(ガンマ)波、β(ベータ)波、α(アルファ)波、θ(シータ)波、δ(デルタ)波の5つの種類があり、リラックスしたい場合にはアルファ波に脳波を導くとよいでしょう。
一般に販売されている音楽療法用のCDもこのようなタイプが圧倒的に多いです。その中には、独自の方法をつかってアルファ波だけではなくてシータ波に導くものもあります。それは長く聴いているうちに脳の緊張が解けていき集中力を増進させたり、記憶力を高めるといった効果を期待することもできるといわれています。
◆5つの脳波とその性質について
・γ(ガンマ)波 30ヘルツ以上 怒りを感じていたり興奮をしているとき
・β(ベータ)波 14~30ヘルツ 緊張していたり警戒しているとき
・α(アルファ)波 8~14ヘルツ リラックスしているとき、集中しているとき
・θ(シータ)波 4~8ヘルツ 浅い睡りの状態のとき、瞑想しているとき
・δ(デルタ)波 0.5~4ヘルツ 深い睡眠に入っているときや無意識の状態
認知症を緩和するケア方法というものがあります。その中に音楽療法などがあり、定期的におこなっているところもあります。音楽療法の先生がピアノ演奏などをおこなって老人ホームなどに入居されているかたが音楽を楽しむというスタイルです。
音楽療法は音楽の先生と精神科の先生が協力することによってできる療法で、音楽の先生のピアノの演奏にあわせて懐かしい歌を歌ったりすることもできます。また歌にあわせてボールでたのしんだり打楽器をつかってリズムをとったりするというプログラムです。音楽やリズムをつかって記憶をよみがえらせるといった効果もあるそうです。
また、音楽療法に参加する入居者のかたたちが一緒に体験することによって仲間意識などもうまれてきます。普段よりもコミュニケーションが取りやすくなるのではないでしょうか。何度か体験していくうちに明るい表情で楽しんでいる様子もわかってくるようです。リズム感も養われますので音楽療法が楽しくなってきますよね。
他にもスウェーデンの音楽療法の専門家をまねいた音楽療法のプログラムなども開催されることがあります。専門家のかたはステン・ブンネ氏で、独自の手法をもって開発された音楽療法をつかっており音楽療法の分野では第一人者のようです。ブンネ法とよばれる音楽療法は基本的な人間が持つ能力や昨日を保持したり促進させたりする効果があります。