音楽療法という言葉を、耳にされたことがあるでしょうか。人間の生活には、常に音楽が回りにあり、勇気づけられたり、癒されたりするということが、よくあるものです。音楽療法は、この作用を積極的に利用して、身体に生じる、様々な疾病の治療や、障害の改善に役立てることに効果があるとされています。
その効果は、一般の病気に多いような、風邪を改善したり、病気が治るなどの即効性の効果があるとは決して言えません。しかし、障害を抱えた人に、音楽療法で、障害を改善したり、回復、生活の質を向上させるなどの効果が期待できるのです。
また、音楽療法は、リラクゼーション効果を狙った、ヒーリングミュージックやレクレーションとは違い、それぞれの患者の、その時々に必要な音楽を提供し、音楽によるコミニュケーションを図ることも可能なのです。そして、その場限りの効果のレクリエーションとは違い、治療経過を踏まえて、治療目標が設定されているので、継続的に行われるものです。それでは、音楽療法とは、どんな人に、良い効果があるのでしょうか。
健常者に効果があることは、よく言われていますが、痴呆やアルツハイマーを含む、高齢者や自閉症、ADHD・ダウン症等の、発達障害、統合失調症、神経症等の神経障害他にも、言語障害や肢体不自由などの機能障害まで、実に幅広い層の症状に、効果があるとされています。
もちろん、音楽経験が有るか無いかは重要ではありません。音楽療法は、病院の中での代替医療として、大きな可能性を持っています。高齢者施設や児童福祉施設等だけではなく、医療の現場において、様々な疾病のリハビリテーションや、終末期医療の中で、心のケアなどの効果も期待されているのです。
好きな音楽を聴いていると、楽しい気持ちになったり、スッキリした気持ちになったというような経験は誰にでもあると思います。音楽には、不思議な力が秘められています。この力を最大限に利用し心身共に健康に導いていく治療法のことを、音楽療法とよんでいます。また、音楽を聴くだけでなくて楽器を弾いてみたり、歌を歌ってみたりすることなども音楽療法に含まれます。
音楽療法は、最近では、いろいろな医療現場において、取り入られています。そして大変注目されている治療法の1つです。音楽が癒しに使われた歴史は、かなり古くさかのぼります。3000年前のユダヤ王サウルのうつ病を、ダビデという羊飼いの若者が、ハーブの調べで治したことは、現代でも語り継がれているお話なのです。古代ギリシャのアリストテレスは、音楽には身体に溜まった悩みやもやもやを吐き出してスッキリさせる効果があることを発見し、カタルシス効果と名付けていました。
また、中世時代においてはいろいろな面で、キリスト教に強く支配されていた時代です。病気に対する考え方も同様でした。それがルネッサンス期に移行してから画家達による解剖図といった美術と医療、そして坐骨神経痛の患者の患部の上で、フルートを演奏して治癒したというように音楽の総合的な活動が注目され始めます。近代では、音楽療法の主役は、アメリカへと移りました。その当時の大統領のジョージワシントンも音楽療法に興味を示しており軍隊などにも使われ始めました。現代では、医療において、軍隊だけでなくて精神疾患をもつ患者のレクリエーションとして利用されています。