音楽療法という療法が、最近注目を集めています。そして、音楽療法士になりたいという人も、最近では少なくないかもしれません。それでは、音楽療法士には、どういった資質が必要で、どうすれば音楽療法士の資格を取得することが出来るのでしょうか。
音楽療法士は、人と関わり合うことが必要で、利用者と援助者との人間関係が必要です。音楽療法は、カウンセラーと同じく、人間を理解し、利用者のエンパワーメントを大切にし、生きる意欲を引き出すことが必要とされる仕事です。
また、米国の臨床心理学者、カール・ロジャースは、カウンセラーの一番の資質は、人間関係に対して敏感な人としています。他人の反応に対して鈍感だったり、また、自分の発言が他人にどう影響するかが判らなかったり、自分と他の人の間に存在する友情や敵対心などに鈍感なようなら、カウンセラーには向いていないであろうと発言しています。
他にも、分析心理学者の河合隼雄は、カウンセラーと一言でいっても、いろいろなタイプの人がいて、全員が自分の長所を伸ばして活躍していると述べています。そして、そう簡単になれる人、なれない人とは決められないが、カウンセラーになりたいと希望している中で、一番困る人は、自分に問題があるのに、自分の問題は棚に上げ、他人を救おうと考えている人だとしています。
自分は健康で、自分は素晴らしい、だから誰か困っている人を助けてあげようという気持ちでは、他人をカウンセリングすることはできないと断言しています。
音楽療法士は、現在、国家資格ではなく、多くの人は、ボランティアなどとして、音楽療法の活動を行っているそうです。ボランティアでも、音楽療法に携わる仕事をしたいと思っている人達は、それだけで、音楽療法士の資質があるといえるのかもしれません。
好きな音楽を聴いていると、楽しい気持ちになったり、スッキリした気持ちになったというような経験は誰にでもあると思います。音楽には、不思議な力が秘められています。この力を最大限に利用し心身共に健康に導いていく治療法のことを、音楽療法とよんでいます。また、音楽を聴くだけでなくて楽器を弾いてみたり、歌を歌ってみたりすることなども音楽療法に含まれます。
音楽療法は、最近では、いろいろな医療現場において、取り入られています。そして大変注目されている治療法の1つです。音楽が癒しに使われた歴史は、かなり古くさかのぼります。3000年前のユダヤ王サウルのうつ病を、ダビデという羊飼いの若者が、ハーブの調べで治したことは、現代でも語り継がれているお話なのです。古代ギリシャのアリストテレスは、音楽には身体に溜まった悩みやもやもやを吐き出してスッキリさせる効果があることを発見し、カタルシス効果と名付けていました。
また、中世時代においてはいろいろな面で、キリスト教に強く支配されていた時代です。病気に対する考え方も同様でした。それがルネッサンス期に移行してから画家達による解剖図といった美術と医療、そして坐骨神経痛の患者の患部の上で、フルートを演奏して治癒したというように音楽の総合的な活動が注目され始めます。近代では、音楽療法の主役は、アメリカへと移りました。その当時の大統領のジョージワシントンも音楽療法に興味を示しており軍隊などにも使われ始めました。現代では、医療において、軍隊だけでなくて精神疾患をもつ患者のレクリエーションとして利用されています。