音楽療法を知る

音楽療法とは、音楽の生体に対する、生理的作用の研究に引き続き、心理的作用の研究も、同時に行われてきた治療法です。しかし、生理学的な見地から、音楽に対する情緒反応を予測したり、一般化することは、まだまだ難しいと言えるようです。心理学的なものさしで得られた結果などは、理論的な基盤が弱く、厳密さと一貫性が十分ではないと考えられてしまいます。

 

定音楽鎮静的音楽とリラックスを目的として、被験者によって選択された好みの音楽を短時間聴取してみると、活気以外の各因子で、明らかに一時的な情動変化が認められました。その変化は、ジャンルやテンポが様々であったにもかかわらず、比較的一貫していました。また、その変化は、不安を和らげ、抑うつ作用や、他にも、敵意を鎮め、疲労を軽減させ、混乱を少なくするなどの効果がありまた。好みの音楽の場合に限り、活気を増すなどの作用も確認されています。

 

従来、音楽には、人間をホメオスタシスに向かわせる効果と、リラクセーションに導く効果があると考えられていました。この結果は、音楽の聴取が、個人に自覚可能な情動面での変化をもたらし、また感情のレベルが高すぎる人は低下させ、逆に感情レベルが低すぎる人には、上昇させるように働くと考えられています。そして、今度は、健康な学生に、6種類の音楽を聞かせてみたところ、緊張、抑うつ、怒りの尺度が、ダンス音楽が持っている強い陽性効果などが、報告されました。

 

持病を有する対象者に対する報告もあり、精神科入院患者に音楽療法を行い、半年の経過を評価した結果、統計学的に、思考力や集中力の改善や、混乱の尺度の減弱が認められたそうです。また、癌患者に、10週間、能動的音楽と受動的音楽セッションを行って評価したところ、どちらも気分の改善が認められたそうです。、

 

2種類のセッション間には、差異はなかったといわれています。他にも、脳卒中後遺症などの神経系の患者で、音楽療法の前後で適用すると、不安、活気、敵意の尺度の改善が確認されたという報告もあります。

音楽によって心が安らいだり、何気なく、頭の中にメロディーが浮かんできたり、カラオケで歌を歌うとスッキリするというようなことが、記憶にあるという方は多いのではないでしょうか。

 

私達人間にとって、音楽は、必要不可欠なものです。音楽は、無意識に、暮らしの中に取り入れられています。それは、実は、自分自身が、いかに音楽に助けられてきたのかを、心の奥底では知っているからだと思います。この音楽の持つ力を利用して、心身のバランスを取り戻すという方法が、音楽療法です。

 

音楽療法は、専門的に学ぶのではなく、音楽を楽しみながら体験する療法です。例えば、自分自身の現在の状況に合った曲を聴いてみたり、ピアノや、普段使っている楽器などを演奏をしてみたり、リズムに乗って身体を動かしてみたりすることなど、好きな方法で音楽を楽しみながら、心身を共に元気にしていくのが音楽療法です。

 

その効果は、例えば、言語障害などで、言葉によっては上手に表現できないような人は、音楽に共感したり、一緒に歌って演奏したりすることで、コミニュケーションの糸口がつかめることがあるそうです。そして、相手の心の状態や、社会性に気付くという効果が証明されています。

 

現に「あー」などの、単語しか喋れなかったダウン症の男の子が、楽器を使い、その音で擬音などを表しているうちに、発言や、うたを歌うようになったという事実もあったそうです。

 

他にも、皆さんも経験があると思いますが、リラクゼーションの手段としてや、エネルギーの発散とコントロール、そして、アイデンティティの統合、残存機能の維持などにも効果があることが明らかになっています。

 

最近では、効果別に、音楽療法のCDが発売されたり、医療の現場でも、どんどん使われるようになっています。そして、音楽療法に興味を持つ人も、年々、増加しています。みなさんも、ぜひ1度、体験してみてはいかがでしょうか。

皆さんは、音楽がお好きでしょうか。人は、たいてい、多くの時間、何かしらの音楽と触れ合っていると言えます。例えば、ドラマやテレビのCM、街などでお店に入ったときなど、たいていは音楽が流れています。また、この歌を聴くと悲しくなる、嬉しくなると思うようなことも多いですし、ギターを弾いていると、楽しいなど、気分によって、今の自分の気分に合った音楽を聞いたり、弾いたりする人も少なくないと思います。

 

音楽は、波動がリズムとメロディーで出来上がっているものです。脳波やα波なども波動になります。音楽療法とは、その波動を合わせると変化し、気分によって変わる波形を、脳波のパターンを用いて、病気や治療を予防することができるとされている治療法です。その効果について、いくつかをご紹介したいと思います。

 

左右から入る直接の音波ではなく、その差異であるバイノーラル効果音をキャッチすることを、パイノーラル効果と言います。 右脳と左脳が互いに連携する必要があり、左右で協力しバイノーラル効果音に集中する過程で脳が活性化すると言われています。

 

また、2年間の臨床実験において、80%の人が癒しを感じると応えている効果があります。それは、サブリミナル効果と呼ばれています。耳に聞こえないナレーションを音楽の中に取り入れ、潜在意識を活性化し、自分自身が望んでいる状態を作ると言われています。

 

このように、音楽から得る安らぎや癒しなどの力は、とても大きいというころがわかります。みなさんが、もし疲れたと感じ、癒しを求めたい時には、自分にとって安らぐ音楽を聞いて、疲れた心を癒してあげることも、時には必要なのかもしれません。

高齢化の進行に伴い、介護保険制度が本格的に制度化され始め、それと同時に、高齢者福祉の現場などにおいては、質の高いサービスが求められるようになってきました。そんな中、最近、高齢者施設等の医療現場では、音楽療法が急速に広まってきています。様々な研究、事例報告等により、音楽療法が効果的な治療の一助となることが証明され始め、介護やケアの1つの方法として、取り入れられるようになってきました。音楽療法が、生活の質の向上に役立つことなどが、その理由として考えられます。

 

音楽療法の間口は、大変広く、その内容は多岐に渡ると言われています。音楽療法は、主に、音楽を聴くという受動的な方法と、実際に本人が、歌ったり楽器を演奏したりするといった、能動的な方法とに分けられます。音楽療法の受動的な方法は、単調な日々を過ごしがちな施設の入居者に対して、一日の生活リズムに応じて、音楽を聴かせることで、BGMの効果から、気分転換や、情緒の安定に効果があると言われています。また、明るい気持ちになることで、夢や希望を抱かせるのにも効果的です。

 

また、能動的な方法の場合は、歌を歌うこと自体が、呼吸運動などを円滑にします。また、心肺機能を高め、歌唱や曲にかかわる会話により、物の名前や、曜日、日時、季節感などの現実見当意識を取り戻すことができるという効果が期待できます。

 

高齢者施設での音楽療法では、広めの部屋に入居者が集まり、セッションを行います。通常40分から60分程度で、音楽療法師が、挨拶しながらイントロに入り、効果音で五感を刺激します。これによって、入居者の反応や、体の調子を把握することができると考えられています。

 

その後、ストレッチなどの運動もあわせて行い、入居者がなじみの歌を歌ったりします。そして、最後には、楽しく過ごした時間に感謝して、再会を約束し、終了します。これを何回か繰り返すことが、高齢者が元気に過ごせる秘訣になっているようです。

現在、アメリカをはじめ、世界中で、さまざまな現場に音楽療法が取り入れられています。音楽療法は、音楽健康法や音楽レクレーションなど、皆さんが生活の中で聴く音楽を気軽に取り入れる心理療法で、その効果の高さについても、多くの報告がなされています。

 

音楽療法は、その場が楽しいことがまず重要であり、音楽を聴いたり、楽器を演奏したりすることで、健康を改善されながら、ストレスを解消したり気分転換することができる療法です。後に、評価、検討、研究することは含められず、これらは広義の音楽療法と考えられています。

 

また、欧米では、現在の日本とは異なり、療法とは治療を含むものと考えられています。欧米の療法は、狭義の音楽療法と考えられます。例えば、特定の対象者がおり、その個人やグループに対応したプログラムが設定されているように、治療者の治療としての意義が重要となってきます。また実践を始めてしまえば、決して、そのまま放置しておくことは許されません。実践された内容を振り返り、検討することが重要とされているのです。

 

このような治療の中で、ポイントとなるのは、何らかの治療が終わった後で、患者が、どのような点で治療前と比較して良くなったか、それとも、特に変化がなかったのか、逆に悪くなったのかどうかについて、検討するなど、評価を行なううことが必要となります。

 

一般の人にとって、形や数字を伴わない評価は、音楽健康法やリクレーションの意義は大きいといえます。音楽本来の機能の他、役割の観点などからみると、事実的にはとても重要なのです。音楽療法は、皆さんの1番身近にあって、かつ、大変重要な療法であるといえます。

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