音楽療法士に求められる3つのスキル
音楽療法は、最近、これを取り入れた治療が行なわれたり、高齢者に、音楽の楽しみや、人との関わりの楽しさなどを教えてくれるものとして、大変注目されている療法です。そして、音楽療法には、3つのスキルが必要であると考えられています。
まずは、音楽と療法との関わりや、病気に対する認識・プログラムの立て方・効果測定と評価についてなど、音楽療法を実践する方法の知識とスキルがあります。音楽療法に必要なことは、目的を明確にし、それに応じた、適切な方法を実施することです。また、最後には、次回へつなげるために、結果を見直すことです。
そのために、体系立てられた取り組みができる能力が求められます。効果の確認などは、対象者の様子だけを評価するだけではなく、実践した療法の適切性や、また、同時に、音楽療法士本人の、その時間の心理状態等を、自ら把握するということが必要です。
また、他人を理解するための知識とスキルも、必要とされます。患者さんに、効果的な音楽療法を実施するためには、他の療法士や施設職員の方々との、相互理解と協力が大変重要です。また、他の音楽療法士の音楽療法の方法の良いところを認め合い、お互いを高めあうことも大切です。
他人とは、患者さんだけでなく、家族や患者さんに関わる人、他の療法士、または、ワーカーの方々などを含めて、全体的に理解することが大切です。傾聴する態度や、他人に寄り添う姿勢、行動様式の理解他にも、時代背景の認識が必要だと思われます。
最後に、音楽療法を行うのに、最も肝心である、音楽を演奏するための、知識とスキルがあります。楽器演奏スキル、表現力、リズム感など、楽譜の読み書き・多様な音楽ジャンルの知識なども、必要とされます。
しかし、決して演奏のプロである必要はありません。音楽をよく知ることが大事です。音楽を演奏するスキルはもちろん必要ですが、音楽療法の目的は、音楽を演奏することではなく、音楽を活用して、人の心をケアすることです。
音楽のことをよく理解して、よい療法を行なえるように、必要な工夫をして使うことが、大切な条件です。音楽のジャンルにもこだわらず、患者さんと理解しあうためにも、音楽全般を好きであることが、まず第一条件であるかもしれません。